会計上の見積りの開示かいけいじょうのみつもりのかいじ

どの項目か、いくら計上したか、なぜそう読めるかを書く

ひとことでいうと

会計上の見積りの開示は、翌年度の決算に大きく効きうる見積りを、注記で読み手が追えるようにする仕組みです。

来年ひっくり返りそうな見積りは、隠さない

時計店が、貸倒れの見積りや、店舗設備の減損の見積りを決算に使っているとします。その見積りが、翌年の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるなら、項目の名前、いま計上している金額、読む人が分かるための情報を注記します。見積りをやめろ、というルールではありません。

時計店が見積りのうち翌年大きく効きうるものを注記する開示の入口を示す図。
図1 来年大きく効きうる見積りを、注記で見せます。

翌年度に重要な影響を及ぼすリスクがある項目

会計上の見積りの開示に関する会計基準は、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目の見積りの内容を開示する、と定めています。通常は当年度に計上した資産および負債を識別します。注記する内容は、項目名、当年度の財務諸表に計上した金額、理解に資するその他の情報です。

会計上の見積りそのものは、金額を確定できないときに使う見積りの手続です。この記事は、そのうち翌年に効きうるものを注記で見せる話です。明瞭性の原則の具体化でもあります。

すべての見積りを列挙するのではない

減価償却の耐用年数のように、毎年同じ前提で回る見積りまで、リスクがある項目として出すとは限りません。翌年に大きく振れるリスクがあるかが分岐です。

項目名、計上した金額、理解に資する情報の3点を注記する図。
図2 何を、いくら、なぜそう読めるかを書きます。

貸倒引当金と減損を例にした、3点セット

図2は説明用です。項目名(例:貸倒引当金)、計上額(例:4万円)、理解に資する情報(実績率の置き方など)を注記する、という向きです。単位は万円。

減損損失や貸倒引当金の計算方法そのものは、それぞれの記事です。ここは、注記に何を載せるかの入口です。

実務ではここに注意

識別の単位、定量情報の出し方、監査との調整は個別です。4万円は説明用です。仕訳はありません。注記の話です。

ここまでのおさらい

会計上の見積りの開示は、翌年の決算に大きく効きうる見積りを、項目・金額・分かるための情報として注記する仕組みです。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門。第31号の開示対象と注記項目。定量的感応度の算式、監査上の重点項目は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

時計店の4万円は注記の向きの説明用。識別対象の該否は未判定。仕訳なし。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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