記録と財務諸表 一歩くわしく
支配しはい
議決権の過半数が典型。持分が半分以下でも、要件次第であり得る
ひとことでいうと
支配は、ほかの会社の重要な方針を実質的に決められる関係です。
株を過半数持っていると、方針を決めやすい
運送会社が、配送子会社の議決権の過半数を持っているとします。株主総会で取締役を選び、経営の向きを決められる。この「決められる関係」が、連結の話でいう支配です。荷物を渡した瞬間にお客さんがその荷物を使える、という収益認識の「支配」とは、別の言葉です。
意思決定機関を支配している会社が、親会社
連結財務諸表に関する会計基準は、支配を意思決定機関の支配として捉え、他の企業の意思決定機関を支配している企業を親会社、支配されている企業を子会社、と位置づけます。議決権の過半数の所有が典型です。議決権が40%以上50%以下でも、緊密な者を合わせた議決権や役員の過半数などの要件を満たせば支配、と読む道があります。財務上または営業上支配していないことが明らかな場合は、この限りではありません。
会社を買う企業結合でも、獲得する対象が「支配」です。名前は同じでも、売上のタイミングで使う支配(お客さんに商品を使える状態が移る)とは場面が違います。
株数だけで機械的には決まらない
過半数でも、実質的に方針を決められない事情があれば、支配ではないことがあります。逆に、半数以下でも実質的に決められれば支配になり得ます。
過半数の典型と、40%台の例外の入口
図2は説明用です。左は議決権60%で典型的な支配、右は45%でも他の要件次第、という向きです。パーセントは説明用で、実際の要件のチェックリストではありません。
議決権、子会社、親会社へ進むと、連結の範囲の話になります。
実務ではここに注意
潜在議決権、役員派遣、資金援助、重要な取引依存は個別です。この記事は会社分類の表や項の番号を増やして断定しません。60%と45%は説明用です。
ここまでのおさらい
支配は、ほかの会社の重要な方針を実質的に決められる関係です。収益認識の「支配」とは別の言葉です。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門。第22号の意思決定機関の支配。収益認識の支配、企業結合基準の定義の全文、持分法の影響力は対象外。
- ASBJ:企業会計基準第22号 連結財務諸表に関する会計基準第6項:意思決定機関を支配。
- ASBJ:企業会計基準第22号 連結財務諸表に関する会計基準第7項:他の企業の意思決定機関を支配している企業とは、議決権の過半数所有、または40%以上50%以下で緊密者合算や役員過半数等の要件、等。財務上又は営業上支配していないことが明らかならこの限りでない。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
運送会社の60%・45%は説明用。緊密者・役員要件の該否は未判定。仕訳なし(関係の定義の記事のため)。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。