1年基準いちねんきじゅん

あと1年以内に回収・支払いするかで、表示の場所を分ける

ひとことでいうと

1年基準は、決算日の翌日から1年以内かどうかで、貸付金などを流動か固定かに分ける考え方です。

あと1年以内に戻るか、それより先か

時計店が取引先に資金を貸しているとします。決算日の翌日から数えて1年以内に返ってくる分は、流動資産の側へ出します。1年を超えて返ってくる分は、投資その他の資産など固定の側です。商品が売れて現金になる速さで分ける話とは、別の物差しです。

時計店の貸付を、1年以内かそれ超かで流動と固定に分ける1年基準の入口を示す図。
図1 翌日から1年以内かどうかで、置き場所が変わります。

翌日から1年で、流動と固定を分ける

企業会計原則注解は、貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、主目的以外の未収金・未払金などについて、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に入金または支払の期限が到来するものは流動資産または流動負債とし、1年を超えるものは投資その他の資産または固定負債とする、と説明しています。預金も同様です。

お店の商品のように、普段の商売の循環で現金になるものは、営業循環基準で流動資産になります。1年を超えて店頭に残る商品でも、商売の循環に乗っていれば流動、という向きです。1年基準は、その循環に乗りにくい項目の物差しです。

「1年」の起算は、決算日の翌日

契約書の年数そのものではなく、決算日から見て残り何日かで見ます。

貸付金のうち1年以内の回収分を流動、1年超を固定資産へ分ける図。
図2 同じ貸付でも、残りの期間で表示が分かれます。

同じ40万円の貸付でも、残り期間で分ける

図2は説明用です。貸付40万円のうち、翌日から1年以内に返る分が15万円、1年超が25万円とします。15万円は流動資産、25万円は固定資産(投資その他の資産)です。単位は万円。

借入金なら、同じ物差しで流動負債と固定負債に分かれます。

実務ではここに注意

定期預金の解約制限、割賦の内訳、1年以内に期限が来る長期借入金の振替は、契約と会社の表示方針によります。15万円と25万円は説明用です。

仕訳で確かめる

決算で、1年以内に返る貸付を流動へ振り替えるとき(単位:万円)
借方金額貸方金額
1年内回収予定貸付金15万円長期貸付金15万円

ここまでのおさらい

1年基準は、決算日の翌日から1年以内かどうかで、貸付金などを流動か固定かに分ける考え方です。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門。企業会計原則注解注16。金融商品の流動・固定の表示の細部、会社法の計算書類の区分は対象外。

  • 企業会計原則注解注16:貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、主目的以外の未収金・未払金等は、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内なら流動、1年をこえれば投資その他の資産又は固定負債。預金も同様。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

時計店の15万円・25万円は説明用。個別契約の期限は未判定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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