時価じか

今、市場で売買するとしたらいくらになるかを表す金額

ひとことでいうと

時価とは、今、市場参加者の間で通常の取引が行われるとした場合に、資産を売って受け取れる価格のことです。買った時にいくら払ったかを表す取得原価とは、着目する時点が異なります。

「買った値段」と「今売ったらいくらか」は別の金額

何年か前に買った自転車があるとします。買ったときの値段(取得原価)は覚えていても、今フリマアプリで売るとしたらいくらになるか(時価)は、そのときの人気や状態によって変わります。会計でも、この2つの金額を区別して扱う場面があります。

取得原価は買った時の金額、時価は今売ったらいくらになるかの金額であることを対比して示す図。
図1 取得原価は「買った時」、時価は「今」の金額です。

時価は、「今、売ったらいくらか」を表す金額

企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」第5項では、時価を、算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の、資産の売却によって受け取る価格又は負債の移転のために支払う価格と定めています。かんたんに言うと、今この時点で市場で取引したらいくらになるか、という金額です。

これに対して、取得原価は、その資産を取得するために実際に支払った金額です。取得原価は買った時点で決まり、その後は原則として変わりませんが、時価は市場の状況によって日々変動します。

時価が使われる場面

時価は、有価証券のうち、売買目的有価証券やその他有価証券の期末評価で使われます。また、固定資産の減損を判定するときの回収可能価額の一部(正味売却価額)を計算する場面でも登場します。市場価格がある場合はそれを使い、市場価格がない場合は、合理的に算定された価額を時価として扱います。

花屋が20万円で買った株式が決算日に時価24万円になり、評価差額4万円が生じる図。
図2 時価が変わると、評価差額が生じます。

花屋の株式で、取得原価と時価を比べてみる

図2は、花屋が20万円で買った株式が、決算日に市場で24万円の株価になっていた例です。取得原価は買った時の20万円のまま変わりませんが、時価は決算日時点の24万円です。この差額4万円を評価差額と呼びます。

この株式がその他有価証券に区分される場合、決算では時価の24万円で貸借対照表に計上し、評価差額の4万円は損益計算書を通さず、純資産の部に直接計上します。取得原価のままにするか、時価に書き直すかは、有価証券の保有目的によって決まります。

ここまでのおさらい

時価は「今売ったらいくらか」、取得原価は「買った時にいくら払ったか」を表す金額です。有価証券の期末評価などで、この2つを使い分けます。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。時価算定会計基準にもとづく時価の定義と、その他有価証券の期末評価での使われ方を扱う。レベル1〜3のインプットの詳細、非上場株式の時価算定の詳しい方法は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

花屋の金額・株価は説明用の仮定です。市場価格のない資産の時価算定の詳しい方法(レベル2・3のインプット)は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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