資金繰りしきんぐり

一定期間の入金と出金を管理し、お金が足りなくならないようにすること

ひとことでいうと

資金繰りは、一定期間に入ってくるお金と出ていくお金を管理し、支払いに必要なお金が不足しないようにすることです。利益が出ていても、資金繰りが悪化することがあります。

「儲かっているのに、財布が空になる」ことがある

サービス業の会社が、今月大きな契約を取り、損益計算書の上では利益が出る見込みです。しかし、その代金は来月末にならないと振り込まれません。一方で、従業員の給料や家賃は今月中に支払わなければなりません。これが資金繰りの問題です。

利益が出ていても、入金と出金のタイミングが違うと手元のお金が不足することを示す図。
図1 利益が出ていても、手元のお金が足りなくなることがあります。

利益が出ていても、お金がないことがある

サービス業の会社が、今月100万円の契約を取り、損益計算書の上では利益が見込めるとします。しかし、代金の入金は来月末で、今月中には給料や家賃など80万円の支払いが控えています。損益計算書の利益と、実際に手元にあるお金は、同じタイミングで動くとは限りません。

このように、一定期間の入金と出金を見通し、支払いに必要なお金が不足しないように管理することを資金繰りといいます。利益が出ているのに、入金より先に出金が来て手元のお金が尽きてしまうことを、俗に「黒字倒産」と呼びます。

利益とお金の動きは別のものさし

利益は、収益から費用を引いて計算する会計上の成果で、必ずしも現金の動きと一致しません。売上を計上しても代金の回収前であれば、その分だけ利益とお金の動きにずれが生じます。資金繰りは、この利益とは別に、実際のお金の出入りだけを追いかける考え方です。

サービス業の会社の今月の入金と出金を時系列で並べ、支払日に現金が不足する場面を示す図。
図2 入金と出金の時期がずれると、途中でお金が足りなくなります。

資金繰り表で先を見通す

図2は、サービス業の会社の今月の入金・出金を時系列で並べたものです。給料日など出金が集中する日に、手元の現金が一時的にマイナスへ近づく場面が見えます。多くの会社では、こうした入金・出金の予定を「資金繰り表」に整理し、不足しそうな時期を事前に把握します。

不足が見込まれる場合は、当座借越の利用や金融機関からの借入、入金時期の交渉など、事前に対策を取ることができます。資金繰りは、決算書には直接表れない、日々の経営判断の材料です。

ここまでのおさらい

利益が出ていることと、手元にお金があることは別問題です。入金と出金の時期を見通す資金繰りの視点を持つことが、経営を続けるうえで欠かせません。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。利益と資金繰り(お金の動き)の違い、黒字倒産のリスクを扱う。資金繰り表の詳しい様式、金融機関からの借入手続きは対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

サービス業の会社の数値は説明用の仮定です。具体的な資金繰り表の様式、金融機関ごとの借入審査の基準は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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