割引率わりびきりつ

将来のお金を今の金額へ直すときに使う割合

ひとことでいうと

割引率は、将来のお金を「今ならいくらか」に直すときに使う割合です。

同じ11万円でも、戻し方で今の額が変わる

1年後に11万円をもらえる約束があるとします。年10%で戻すと今は10万円、年5%で戻すと今は約10.5万円です。割合が大きいほど、将来の金額は今の物差しでは小さく見えます。

1年後の11万円を年10%で割り戻すと今10万円、年5%で割り戻すと今約10.5万円になる比較図。
図1 同じ将来の金額でも、使う割合で今の額は変わります。

値引きの割合ではない

会計の割引は、将来のお金を今の金額へ戻す計算です。そこで使う割合が割引率です。10%なら将来の金額をそのまま10%で割るのではなく、1年分なら「1+10%」、つまり1.1で割ります。

図1では、1年後の11万円を年10%で割り戻すと 11÷1.1=10万円。年5%なら 11÷1.05=10.476…万円で、図では約10.5万円と示しています。万円表示のため、5%側は小数を省略しています。

割合が大きいと、今の額は小さくなる

割合が大きいほど、「待たされる分」を大きく見ることになります。だから、同じ将来の金額でも、今へ戻すと小さくなります。現在価値は、この割合と、将来の金額・時期から決まります。

リース負債、減損の使用価値、資産除去債務で割引率の中身が異なることを示す図。
図2 「将来を今へ戻す」点は同じでも、中身は基準ごとに違います。

場面が違えば、使う割合の中身も違う

リース負債では、借手は原則として、貸手の計算利子率が分かるならそれを使い、分からなければ借手の追加借入に適用されると合理的に見積られる利率を使います。

減損の使用価値では、割引率は貨幣の時間価値を反映した税引前の利率です。将来キャッシュ・フローが税引前であることに合わせます。

資産除去債務では、割引率は無リスクで税引前の利率です。リースの追加借入利子率や、減損の固有リスクを載せた利率と同じではありません。

実務ではここに注意

「割引率10%」と書いてあっても、どの基準の、何のための10%かを確認します。この記事と図の10%・5%は説明用です。

値引き率、手数料率、法定利率を、そのまま会計の割引率にはしません。

ここまでのおさらい

割引率は、将来のお金を今へ直す割合です。値引きではなく、場面ごとに中身が違う利率です。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門解説。割引と値引きの区別、説明用の単純な割り戻し、リース・減損・資産除去債務で割引率の中身が異なることを扱う。WACCの算定、税引前後の変換計算、会社ごとの利率の決め方は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

年10%と年5%は説明用です。税引後WACCから税引前へ直す計算、追加借入利子率の見積方法、IFRSの割引率との差は未判定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

← 用語の一覧に戻る