負債と将来の義務 一歩くわしく
リース負債りーすふさい
これから払うリース料を、今の金額で表した支払い義務
ひとことでいうと
リース負債は、これから払うリース料を、「今ならいくらか」に直して記録した支払い義務です。
これから払う約束を、今の借金の物差しで見る
パン店が、オーブンのリース料として毎期末55万円を2回払うとします。合計110万円を、今すぐ全部借りたわけではありません。今の時点の義務は、将来の支払いを割り戻した額です。
110万円ではなく、今の954,545円
借手のリース負債は、開始日において未払の借手のリース料から利息相当額を控除し、現在価値で算定するのが原則です。使う割引率は、貸手の計算利子率が分かるならそれ、分からなければ借手の追加借入利子率です。
図1では年10%・毎期末払いとします。550,000÷1.1=500,000。550,000÷1.21=454,545.45…→454,545(円未満四捨五入)。合計954,545円です。対応する資産が使用権資産です。
旧基準のリース債務との関係
旧基準では、ファイナンス・リースの借手が「リース債務」を計上しました。新しい借手の原則科目はリース負債です。この辞典では、検索語の「リース債務」をリース負債の別名として案内します。旧基準の処理そのものは、リース資産の記事で扱います。
利息を足してから、払う
利息相当額は、リース期間にわたり原則として利息法で配分します。各期の利息は、未返済元本に一定の利率を掛けます。
1年目の利息は954,545×10%=95,454.5→95,455円(四捨五入)。足すと1,050,000円。そこから550,000円を払うと、残高は500,000円です。2年目の利息は50,000円。足すと550,000円、支払後はゼロです。
実務ではここに注意
支払った55万円の全部が、その年の費用ではありません。費用になるのは利息と、使用権資産の償却です。
指数で変わるリース料、残価保証、延長オプションなどで、負債の見直しが必要になることがあります。短期・少額では、リース負債を計上しないことができます。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払利息 | 95,455 | リース負債 | 95,455 |
| リース負債 | 550,000 | 現金 | 550,000 |
ここまでのおさらい
リース負債は、将来のリース料を今の金額で表した義務です。利息を足し、支払いで減らします。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準第34号の借手のリース負債。期末払い、固定リース料のみ、残価保証なし、購入オプションなし、年10%は借手の追加借入利子率と仮定。貸手、再測定、契約条件の変更は対象外。
- ASBJ:企業会計基準第34号 リースに関する会計基準第33・34項:当初測定。第36項:利息は原則利息法。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第33号 リースに関する会計基準の適用指針第37項:割引率。第38・39項:元本と利息の区分、利息法。第66項:貸手の計算利子率。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
年10%を追加借入利子率と置くのは説明用です。実際の利率、支払時期(期首払い)、消費税、表示の流動・固定の分け方は未判定。1年目の仕訳のみ示し、当初計上の仕訳は使用権資産の記事にあります。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。