使用権資産しようけんしさん

借りた物を、決められた期間使う権利そのもの

ひとことでいうと

使用権資産は、借りた建物や機械などを、決められた期間使える権利のことです。

2年使う権利を、資産として受け取る

パン店が業務用オーブンを2年借り、毎期末に55万円を払う契約をしたとします。所有はしません。新しいルールでは、まず「2年使う権利」を資産にします。この権利の金額が、使用権資産です。

パン店がオーブンを2年借り、使用権資産の当初額が954,545円になる図。
図1 2年使う権利が、使用権資産になります。

権利の金額は、支払い義務から出発する

借手は、リース開始日にリース負債を計上し、その額に開始日までの支払、付随費用、資産除去債務に対応する除去費用を足し、受け取ったリース・インセンティブを引いて使用権資産にします。

この例では、前払も付随費用もインセンティブもないとします。だから当初の使用権資産は、リース負債と同じ954,545円です。円未満は四捨五入しています。計算の過程は、リース負債の記事にあります。

物の値段そのものではない

使用権資産は、オーブンのカタログ価格ではありません。使う権利の金額です。自分の物として買う固定資産とも、旧基準のリース資産とも、名前を分けて考えます。

使用権資産954,545円を1年目477,273円、2年目477,272円で償却する図。
図2 使う期間に分けて、費用にしていきます。

使う期間に分けて、費用にする

所有権が借手に移ると認められるリース以外では、原則として借手のリース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとして償却します。方法は定額法など、実態に応じて選びます。自分の物と同じ償却方法にする必要はありません。

図2では定額とし、954,545円を2年で分けます。1年目477,273円、2年目477,272円です。1円の差は、合計を当初額に合わせるための端数調整です。

実務ではここに注意

所有権が移ると認められるリースでは、自分の物と同じ減価償却方法・経済的使用可能予測期間・合理的な残存価額を使います。この記事の例はその場合ではありません。

短期リースや少額リースでは、使用権資産を計上しないことができます。計上したあとに価値が落ちれば、減損の対象にもなり得ます。

仕訳で確かめる

リース開始日(前払・付随費用・インセンティブなし。単位:円)
借方金額貸方金額
使用権資産954,545リース負債954,545

ここまでのおさらい

使用権資産は、借りた物を使う権利です。金額はリース負債から出発し、使う期間に分けて費用にします。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準第34号の借手の使用権資産。所有権が移転しないリース、残存価額ゼロ、定額、前払・付随費用・インセンティブなし、短期・少額の例外を使わない説明用の例。貸手の処理、減損、原状回復費用の加算の詳細は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

毎期末55万円・2年・年10%・残存ゼロ・定額は説明用です。延長オプション、変動リース料、原状回復、減損、表示科目(有形・無形の区分)の会社ごとの選択は未判定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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