負債と将来の義務 きほん
負債ふさい
これから支払わなければならない義務
ひとことでいうと
負債は、会社がこれから支払わなければならない義務をまとめた呼び名です。借りたお金だけでなく、これから支払う約束もすべて含まれます。
友だちから借りたお金も、負債の入口
友だちから1,000円を借りて、来週返す約束をしたとします。手元に1,000円が増えても、それは自分のものではなく、返す義務がある1,000円です。会社が銀行からお金を借りたり、代金をあとで支払う約束をしたりするときも、同じように「返す・支払う義務」が生まれます。これを負債と呼びます。
お金を借りると、資産と一緒に義務も増える
花屋が銀行から20万円を借りたとします。この取引では、2つのことが同時に起こります。ひとつは、現金が20万円増えることです。もうひとつは、その20万円をいつか銀行に返さなければならない義務が増えることです。この「返す義務」を負債と呼びます。
借りた20万円は、お花を売って得た収益や利益ではありません。いつか返す約束のもとで、一時的に手元に置かせてもらっているお金です。資産が「持っている物や権利」であるのに対し、負債は「これから渡さなければならない義務」です。現金という資産が20万円増えても、返す義務である負債も同じ20万円だけ増えるため、会社自身の取り分である純資産は、借入によって増えません。
借入金だけが負債ではない
負債には、銀行からの借入金のほかに、商品を先に受け取り代金をあとで支払う買掛金、給料や税金の未払いなど、さまざまな種類があります。「まだお金を払っていない」という状態そのものが、負債という言葉の入口です。
資産・負債・純資産の関係を図で見る
図2では、花屋の資産50万円のうち、20万円は銀行からの借入金でまかなわれています。残りの30万円が、花屋自身の取り分である純資産です。資産50万円=負債20万円+純資産30万円という関係が、常に成り立ちます。
この関係を仕訳で確かめると、借入時は現金という資産を増やし、同時に借入金という負債を増やします。資産の増加だけを見て、義務の増加を忘れないことが大切です。
間違えやすい点:負債は悪いものではない
負債は「会社の借金だから悪いもの」と決めつけるものではありません。事業を始めたり広げたりするために、銀行からお金を借りることは一般的です。問題になるのは、返す見込みのない負債を抱えてしまう場合です。
また、負債の金額は、支払う相手や時期によって決まる場合もあれば、将来の状況によって見積もる場合もあります。負債の範囲や測定方法は、この記事の単純な借入金の例だけでは決まりません。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 20 | 借入金 | 20 |
ここまでのおさらい
負債は、会社がこれから支払わなければならない義務をまとめた呼び名です。資産の増加だけでなく、同時に生まれる義務も確認すると、会社の状態を読み違えにくくなります。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。花屋が銀行から借入をする例を使用。金融負債の詳細分類、税務は対象外。
- ASBJ:討議資料『財務会計の概念フレームワーク』財務諸表の構成要素 第5項(負債の定義)
- 企業会計原則(貸借対照表原則)第三 一・A:資産・負債・資本の記載基準
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
花屋の借入金の条件、金利、返済スケジュールは説明用の仮定です。金融負債の詳細分類、資産除去債務など個別の負債、税務は未判定です。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。