資産とその価値 一歩くわしく
株式かぶしき
会社に出資して、株主として参加するための持ち分
ひとことでいうと
株式は、会社にお金などを出した人が持つ、その会社の持ち分を表すものです。
会社の一部を、みんなで分け合って持つしくみ
株式会社にお金を出すと、その金額に応じて会社の一部を持たせてもらう証明書のようなものを受け取ります。これが株式です。会社が利益を出せば配当としてお金を受け取れることがあり、会社の重要な決定に意見を言う権利(議決権)も持てます。
会社にお金を出すと、株主になる
株式会社にお金などを出して株式を受け取った人は、その会社の「株主」になります。株式は、会社の一部を持つ立場と、それに伴う権利を表すものです。この立場を、会社に対する「持分」といいます。
株主には、会社から配当を受け取る権利、会社をたたむときに支払いを済ませたあとの財産を分けてもらう権利、株主総会で議案に賛否を示す権利があります(会社法第105条)。持っている株式の種類によって、権利の内容は異なります。配当と残った財産の分配、その両方の権利を全く与えない定めは認められません。
保有する側と、発行する側は別の話
株式には、「他社の株式を買って持つ側」と「自社の株式を発行してお金を集める側」という2つの視点があります。保有する側から見ると、株式は将来の配当や値上がり益を期待して持つ資産(有価証券)です。発行する側から見ると、集めたお金は資本金や資本剰余金として純資産に計上されます。発行側の処理は別の記事で扱います。
株主にはどんな権利があるか
図2は、会社法第105条にもとづく株主の3つの権利、①剰余金の配当を受ける権利、②残余財産の分配を受ける権利、③株主総会の議決権を示したものです。Aさんが食品会社の株式を10万円で取得したのも、これらの権利を得るための出資といえます。
食品会社の業績が良く、1株あたりの配当として2,000円を受け取ったとすると、Aさんの側では、株式の取得時に有価証券10万円を計上し、配当を受け取った時点で受取配当金2,000円を収益として計上します。配当は会社の利益の中から支払われるかどうかが決まるため、預金の利息のように必ず決まった額を受け取れるわけではありません。この点が、次の記事で扱う債券の利息との大きな違いです。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 2,000 | 受取配当金 | 2,000 |
ここまでのおさらい
株式を持つと、その会社の株主になります。配当などの権利がありますが、会社へ貸したお金とは違い、出した金額がそのまま返ってくる約束ではありません。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。会社法上の株主の権利と、株式を保有する側の会計処理の基本を扱う。株式の発行・資本金の会計処理、種類株式の詳細は別記事の対象。
- 会社法第105条(株主の権利)第105条:株主の権利(剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、議決権)
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
Aさんの金額・配当額は説明用の仮定です。種類株式、株式発行時の会社側の会計処理の詳細は未判定です。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。