売上・在庫・固定資産 一歩くわしく
後入先出法あといれさきだしほう
あとに入れた分から減ったとみなす、かつての方法
ひとことでいうと
後入先出法は、あとに仕入れた分から売れたとみなす数え方ですが、いまの日本基準では選べません。
新しい缶から減った、と考えていた時期がある
塗料店が、先に仕入れた缶と、あとから仕入れた缶を棚に並べていたとします。後入先出法は、あとの仕入から先に減ったとみなして、残った在庫を古い仕入の金額で見る方法です。かつては使われていましたが、いまの日本の会計基準が選べると書く方法の一覧には入っていません。
考え方は、先入先出の逆
後入先出法は、新しく取得したものから順に払い出され、期末に残るのは古い取得分だとみなす数え方です。物価が上がる局面では、売れた分の原価が新しい高い仕入に寄り、残った在庫は古い安い金額のまま残りやすい、と言われます。
いまの先入先出法は、古い取得から減ったとみなします。向きが逆です。
いまの日本基準では、選択対象に入らない
棚卸資産の評価に関する会計基準は、選択できる評価方法として個別法・先入先出法・平均原価法・売価還元法を挙げています。後入先出法は、この一覧に含まれません。結論の背景では、選択できる評価方法から後入先出法を削除した、と説明されています。
海外の話や、昔の帳簿の話と、いまの日本基準で何を選べるかを混ぜないでください。
塗料のたとえと、いま選べる四つの入口
図1は、あとの仕入から減ったとみなす向きだけを示す説明用です。金額は置いていません。図2は、いまの基準が名前を挙げている方法と、後入先出法を対比します。
すでに後入先出法を使っていた会社が別の方法へ移る話は、会計方針の変更と継続性の原則の話になります。この記事では、いま新規に選べない、という点までです。
実務ではここに注意
税務の取扱いや、過去の比較可能性、移行時の注記は個別に確認します。この記事の数字のない図は、向きと可否の説明用です。
ここまでのおさらい
後入先出法は、あとの仕入から減ったとみなす数え方です。いまの日本基準では選べません。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門。第9号で後入先出法が選択対象に含まれないこと。移行手続の細部、税務、IFRSの取扱いは対象外。
- ASBJ:企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準第6-2項:選択できる評価方法は個別法・先入先出法・平均原価法・売価還元法。後入先出法は含まれない。
- ASBJ:企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準結論の背景第34-12項:選択できる評価方法から後入先出法を削除。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
塗料店は向きの説明用。過去の適用会社の経過措置の細部は未判定。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。