資産とその価値 もう一歩
のれんのれん
会社を買収した金額が、引き受けた資産・負債の価値を上回る超過額
ひとことでいうと
のれんは、会社を買収した金額(取得原価)が、引き受けた資産・負債の価値の純額を上回る超過額です。無形固定資産として計上し、20年以内の期間で規則的に償却します。
「お店の看板」に払う、資産以上の価値
花屋が同業の人気店の事業を譲り受けるとき、そのお店の設備や在庫だけの価値以上のお金を払うことがあります。長年の評判やお客さんとのつながりといった、帳簿には載らない価値に対して余分に払った金額が、のれんです。
買収金額が、資産・負債の純額を上回る超過額
のれんとは、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」第31項にもとづき、企業結合(会社の買収や事業の譲受など)における取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合の、その超過額です。買収先の会社や事業が持つブランド力や取引先とのつながりなど、個別の資産としては計上されていない価値を反映していると考えられます。本記事では、話を単純にするため、負債を引き受けない事業譲受の例で説明します。
のれんは、無形固定資産として貸借対照表に計上されます。同基準第47項では、のれんは無形固定資産の区分に表示すると定められています。
20年以内の期間で、規則的に償却する
同基準第32項では、のれんは資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却すると定められています。ただし、金額に重要性が乏しい場合には、発生した事業年度の費用として処理することもできます。償却額は、販売費及び一般管理費の区分に表示します。
花屋の買収を例に考える
図2は、花屋が同業のお店の事業を100万円で譲り受けた例です。話を単純にするため、引き受ける負債はなく、譲り受けた設備や在庫などの識別可能な資産の時価の合計(純額)が80万円だったとします。買収金額(取得原価)100万円との差額20万円が、のれんとして計上されます。
このお店の効果が10年間続くと見積もった場合、20万円を10年で割った2万円を、毎年のれん償却費として計上します。のれんの帳簿価額は、償却が進むにつれて少しずつ減っていきます。なお、株式を取得して子会社化する場合は、買収した会社(親会社)個別の帳簿ではのれんは生じず、関係会社株式として取得価額のまま計上され、のれんは連結財務諸表を作るときに初めて計算・計上されます。本記事では、事業そのものを譲り受ける場合(事業譲受)を例にしています。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 800,000 | 現金 | 800,000 |
| のれん | 200,000 | 現金 | 200,000 |
ここまでのおさらい
のれんは、買収金額が引き受けた資産・負債の純額を上回る超過額です。無形固定資産として20年以内の期間で規則的に償却します。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準の入門解説。企業会計基準第21号にもとづくのれんの発生理由、償却方法、表示区分を扱う。負ののれん、税務上の資産調整勘定の詳細は対象外。
- 企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」第31項・第32項・第47項第31項:のれんの発生理由。第32項:20年以内の期間で規則的に償却する。第47項:のれんは無形固定資産の区分に表示し、償却額は販売費及び一般管理費の区分に表示する。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
花屋の事業譲受金額100万円・識別可能資産の時価80万円・償却期間10年は説明用の仮定です。負ののれん、株式取得(子会社化)時の連結手続における個別的な計算方法、税務上の資産調整勘定の詳細は対象外。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。