その他の包括利益そのたのほうかつりえき

持ち株の値上がりのように、まだ売っていない段階の増減

ひとことでいうと

その他の包括利益は、今期の儲け(当期純利益)には入れない、純資産の増減のうち株主との直接のやり取り以外の部分です。

まだ売っていない株の値上がり

この例の株式は「その他有価証券」に分類する株式です。食品会社が、すぐ売るつもりではない株式を持っています。期末の時価が20万円上がっても、売っていないので今期の儲けにはしません。ただし、会社の純資産は増えているので、その他の包括利益として示します。

持ち株の時価が20万円上がっても当期純利益には入れず、その他の包括利益にする図。
図1 まだ売っていない値上がりは、今期の儲けにはしません。

包括利益のうち、当期純利益以外

包括利益とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分です。その他の包括利益とは、包括利益のうち当期純利益に含まれない部分です。

内訳は、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示します。

当期純利益にその他の包括利益を加えて包括利益にする流れの図。
図2 今期の儲けと、儲けに入れない増減を足したものが包括利益です。

20万円は税効果前の説明用

図1の値上がり20万円は、その他有価証券評価差額金のイメージです。基準では、法人税等及び税効果を控除した後の金額で表示するのが原則です。この記事では税の計算を省略し、20万円のまま示しています。

売ったときに、過去にその他の包括利益へ入れていた分を当期純利益へ移すことがあります(組替調整)。図では扱いません。

実務ではここに注意

個別の貸借対照表では、従来「評価・換算差額等」として示されてきた項目に近いものです。連結では「その他の包括利益累計額」と読み替えます。

20万円は説明用です。第25号は当面、個別財務諸表には適用しません。

ここまでのおさらい

その他の包括利益は、今期の儲けには入れない純資産の増減です。売っていない株式の値上がりなどが例です。

出典と確認状況

説明の範囲
企業会計基準第25号のその他の包括利益の表示の入門。認識・測定は他の基準。個別財務諸表への適用は当面しない(第25号の範囲)。組替調整の計算表、退職給付に係る調整額は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

組替調整額の数値、税効果20万円への適用、個別財務諸表への将来の適用、2025年改正の用語の読み替えの細部は対象外。20万円は独自仮定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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