圧縮記帳あっしゅくきちょう

売った利益の税金を、新しい資産の帳簿を下げることで先送りする

ひとことでいうと

圧縮記帳は、税務の特例を使うときに、買った資産の帳簿を意図的に減らす経理です。

工場を売って、別の工場を買う

食品会社が古い工場を売り、同じ年に新しい工場を買います。売った差益にかかる税金を、一定の要件の下で、新しい工場の帳簿を下げることで先送りできます。直接減額方式では圧縮損を計上しますが、税金が免除されるわけではありません。

工場を売った差益のうち、圧縮記帳で新しい工場の帳簿を下げる図。
図1 新しい資産の帳簿を下げて、課税を先送りします。

税務の特例

法人が一定期間に特定の資産を譲渡し、同じ事業年度に特定の買換資産を取得して事業の用に供した場合等に、圧縮限度額の範囲で帳簿価額を損金経理により減額する方法などで経理したときは、その減額を損金に算入できます。

直接減額方式では、圧縮損を計上して建物の帳簿価額を下げます。税金が免除されるわけではなく、課税を将来へ繰り延べるしくみです。この例は、中小企業の会計に関する指針に従い、交換に準ずると認められる買換えを前提にしています。

取得2,000万円から圧縮800万円を引き、帳簿1,200万円で減価償却する図。
図2 下げたあとの帳簿から、毎年の費用を計算します。

800万円の説明用

図2では買換資産の取得2,000万円、圧縮800万円、帳簿1,200万円です。単位は万円。限度額の算式(差益割合×80/100など)は条件で変わるため、800万円は説明用の仮定で、算式の結果ではありません。

帳簿が下がると、その後の減価償却費も小さくなります。そのため、将来の課税所得が増える方向に働きます。

実務ではここに注意

届出や明細書の添付が必要な場合があります。要件を満たさない買換えには使えません。

2,000万円・800万円は説明用です。積立金方式との選択、他の圧縮制度は扱いません。

仕訳で確かめる

直接減額の説明用(単位:万円)
借方金額貸方金額
圧縮損800建物800

ここまでのおさらい

圧縮記帳は、税務の特例で新しい資産の帳簿を減らす経理です。直接減額方式では圧縮損を計上しますが、税金が免除されるわけではありません。

出典と確認状況

説明の範囲
国税庁タックスアンサーNo.5651(措法65の7)の特定資産の買換えの圧縮記帳の入門。会計は中小企業の会計に関する指針35により、交換に準ずると認められる買換えの直接減額を例示。他の圧縮(収用等)は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

差益割合の算式の数値例、届出期限、会計上の圧縮損の表示科目の詳細は対象外。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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