税務上の損金ぜいむじょうのそんきん

会計の費用と、同じとは限らない引き方

ひとことでいうと

税務上の損金は、会社の税金を計算するとき、税務上の収益から差し引く原価・費用・損失のことです。

まだ直っていない機械

清掃会社が期末に修繕を発注しました。業者の作業は翌期です。当期以前の使用に起因する修繕で、引当金の要件を満たすなら、会計では見積もりを費用にすることがあります。一方、税務では、期末までに債務が確定していないと損金にならないことがあります。

会計の費用と税務の損金が一致しないことがあり、修繕が期末未完了だと損金にならない例の図。
図1 会計の費用でも、税務の損金にならないことがあります。

収益から引いて、所得を求める

税務上の収益を益金といい、益金から損金を引いて所得を求めます。発注しただけで会計の費用になるわけでもありません。

各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入される金額は、別段の定めのあるものを除き、売上原価等、販売費・一般管理費その他の費用、損失の額とされています。

販売費等のうち償却費以外は、その事業年度終了の日までに債務が確定しているものに限られます。

債務の成立・事実の発生・金額の算定の3つが期末までに揃うと損金になりうる図。
図2 償却費以外の費用は、期末までの債務確定がカギです。

債務確定の3つ

償却費以外で債務が確定しているとは、期末までに、債務が成立していること、給付をすべき原因となる事実が発生していること、金額を合理的に算定できること、のすべてです。

修繕なら、発注し、修繕が完了し、金額の見積りが客観的にできる状況が例です。図の清掃会社は、期末に未完了のため、この3つを満たさない説明用です。

実務ではここに注意

会計の発生主義と、税務の債務確定は一致しません。このズレが一時差異になることがあります。

修繕の金額は置いていません。交際費など別段の定めがある項目は、債務が確定しても損金にならないことがあります。

ここまでのおさらい

税務上の損金は、税務上の収益から差し引いて所得を求める金額です。会計の費用と同じとは限りません。

出典と確認状況

説明の範囲
法人税法22条・基本通達2-2-12に基づく、販売費等の債務確定の入門(国税庁No.5387)。売上原価、償却費、損失の全範囲は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

法人税法22条3項の条文全文の取得はタイムアウト。売上原価の棚卸、減価償却の償却費の特例は対象外。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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