純資産と儲けの計算 一歩くわしく
永久差異えいきゅうさい
交際費のように、会計では費用でも税務では引けないもの
ひとことでいうと
永久差異は、会計と税務のズレのうち、将来も税金計算に乗らないものです。
接待の費用は、帳簿にあっても引けないことがある
出版社が取引先との接待に20万円使いました。会計では費用です。税務では、一定の交際費がずっと損金にならないことがあります。このズレは、来年になっても追いつきません。
基準の呼び方
税引前当期純利益の計算では収益または費用でも、課税所得計算では永久に益金または損金に算入されないものは、将来の所得を増減させる効果がないため、一時差異等に該当しません。実務では永久差異と呼ばれることがあります。
例として、会計上の受取配当金のうち永久に益金不算入のもの、会計上の交際費のうち永久に損金不算入のものが挙げられています。
税効果を置かない
図1では交際費20万円が全額、永久に損金不算入という説明用の仮定です。税率30%でも繰延税金資産は置きません。納付税額はその分だけ多くなります。
一時差異の引当金とは違い、将来の損金算入で追いつく前提がありません。
実務ではここに注意
交際費の全額が永久に損金不算入とは限りません。法令の限度額があります。この記事の20万円全額不算入は説明を単純にするための仮定です。
受取配当の益金不算入も、制度の細部は扱いません。
ここまでのおさらい
永久差異は、将来も税務に乗らないズレです。税効果の資産・負債にはしません。
出典と確認状況
説明の範囲
適用指針第28号第77項が、永久に益金または損金に算入されないため一時差異等に該当しないとする項目の入門。基準上の見出しは「永久差異」ではない。交際費の損金不算入の限度計算は対象外。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第28号第77項:永久に益金または損金に算入されないものは一時差異等に該当しない。例として受取配当と交際費。設例で交際費に繰延税金資産を計上しない。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
交際費課税の現行限度、受取配当の益金不算入割合は未判定。基準の正式見出しは「永久差異」ではない。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。