負債と将来の義務 一歩くわしく
返金負債へんきんふさい
返品されそうな服の分を、義務として残すもの
ひとことでいうと
返金負債は、受け取った代金のうち、お客さんに返しそうな分として残す義務です。
試着して、合わなければ返す
衣料店が、購入後2週間は返品できる条件で服を50万円分売ります。例年、1割が戻ってきます。50万円を全部売上にすると、戻ってくる分まで儲けたことになってしまいます。
権利を得ないと見込む額
顧客から受け取った、または受け取る対価の一部あるいは全部を返金すると見込む場合、権利を得ると見込まない額について返金負債を認識します。額は各決算日に見直します。
変動対価の見積りと対になります。返金しそうな分は取引価格に含めません。
50万円のうち5万円
図1では販売50万円、返品見込10%、返金負債5万円、売上45万円です。単位は万円。10%は例年の経験に基づく説明用です。
実際に5万円戻したら、返金負債を取り崩します。見積りがずれれば、決算で見直します。
実務ではここに注意
返品された商品が戻る場合、その在庫の資産も別途考えることがあります。この記事では代金側だけを扱います。
50万円・10%は説明用です。品質保証の修理引当金とは別です。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 45 | 売上 | 45 |
| 普通預金 | 5 | 返金負債 | 5 |
ここまでのおさらい
返金負債は、返しそうな代金を義務として残すものです。満額を売上にしません。
出典と確認状況
説明の範囲
第29号第53項の返金負債の入門。返品資産(回収する商品)の計上、保証との区別は対象外。
- ASBJ:企業会計基準第29号第53項:返金すると見込む場合に返金負債を認識し、各決算日に見直す。第54項:著しい減額の制約。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
返品資産、返金負債の流動・固定、ポイント引当との関係は未判定。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。