収益認識しゅうえきにんしき

売上を、いつ・いくら記録するかを決める考え方

ひとことでいうと

収益認識は、商品やサービスの売上を「いつ、いくらで記録するか」を決めることです。

家電を渡した日と、振込が入った日

家電店が会社へ電子レンジを届け、受け取りを確認してもらいました。代金は翌月振込です。この単純な販売の例では、電子レンジを渡して約束を果たした日に売上を記録し、翌月の入金とは分けて考えます。

仕事が終わった日に売上を記録し、お金が入った日に預金が増えることを分けて示す図。
図1 売上の記録と、入金は同じタイミングとは限りません。

入金は、売上そのものではない

収益には、商品の売上やサービスの料金などがあります。先に代金が振り込まれても、まだ商品を渡していなければ、それだけで売上にはなりません。逆に、商品を先に渡してあとで入金されるなら、間に売掛金などが残ります。

図1は、その時間のズレを示します。資金繰りの入金予定と、損益計算書の売上は、別の物差しです。

何を、いくら、いつ

まず見るのは、「何をする約束で、いくらもらい、その約束をいつ果たすか」です。商品を渡す場合も、清掃などのサービスを続けて提供する場合もあります。約束を果たした分に対応する金額を、売上として記録します。これが第29号の基本原則の入口です。

契約の確認、やることの分解、金額の決定、振り分け、果たしたときに売上にする5つの確認を示す図。
図2 売上を決める5つの確認です。

5つの確認

確認する順番は5つです。①お客さんとの約束を確認する。②商品を渡す、設置するなど、約束した仕事を分ける。③受け取る金額を見積もる。④その金額を各仕事に割り当てる。⑤仕事を果たした時、または果たした分ずつ、売上にする。基準では、約束した仕事を「履行義務」と呼びます。

商品を渡す一度の出来事で売上になる場合も、毎日の清掃のように仕事を続けた分ずつ売上になる場合もあります。どちらになるかは契約と基準の条件で判断します。売上になる仕事をしたあとも請求条件が残ると、契約資産が出てくることがあります。

実務ではここに注意

「出荷した日」「請求書を切った日」「入金日」のどれかが、いつも正しいわけではありません。履行義務を果たした時点を、契約に沿って見ます。

第29号はIFRS第15号を基礎にしていますが、注記や代替的な取扱いなど、日本基準としての定めがあります。この記事は5ステップの入口です。

ここまでのおさらい

収益認識は、売上をいつ・いくら載せるかの考え方です。入金の日と、成果を上げた日は分けて見ます。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準(企業会計基準第29号)の入門。基本原則と5ステップ、収益と入金の違い。変動対価、重要な金融要素、本人と代理人、工事契約の進捗、適用指針の代替的な取扱いの詳細は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

家電店の家電は場面の仮定です。履行義務が一定期間か一時点か、返品、ポイント、本人と代理人、税込・税抜は個別確認が必要です。適用開始時期の経過は、現行の適用済みを前提に省略しています。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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