変動対価へんどうたいか

リベートのように、あとで代金が変わる約束

ひとことでいうと

変動対価は、あとから金額が変わりうる、受け取る代金の部分です。

たくさん買うと、あとで戻す

文具メーカーが、年間の仕入が一定を超えた販売店に、あとから10万円を戻す約束をします。いま売った時点では、戻すかどうかがまだ決まり切りません。戻しそうな分は、売上に載せすぎないように見積もります。

販売価格100万円のうち、あとで戻しうる10万円を変動対価として見積もる図。
図1 あとで変わりうる分は、最初から見積もります。

変わりうる代金

顧客と約束した対価のうち、変動する可能性のある部分を変動対価といいます。リベート、返金、業績に応じたボーナスなどが例です。

見積りは、最も可能性の高い一つの金額(最頻値)か、確率で加重平均した金額(期待値)のうち、より適切に予測できる方法を使います。

戻す可能性が高い10万円は売上に入れず、残る90万円だけを売上にする図。
図2 あとで大きく減らない可能性が高い分だけ、売上に含めます。

売上に入れられる上限

見積もった変動対価は、あとで金額が確定したときに、それまでの売上が大きく減らない可能性が高い部分だけを、取引価格に含めます。

図2では販売100万円、戻しそうな10万円を除き、売上は90万円です。戻す見込額は返金負債になります。単位は万円。最頻値で10万円戻ると見込む説明用です。

実務ではここに注意

「まだ決まっていないからゼロ」でも、「決まるまで満額」でもありません。見積もったうえで、売上を大きく取り消す事態を避ける制約をかけます。

100万円・10万円は説明用です。

仕訳で確かめる

販売時(単位:万円)
借方金額貸方金額
売掛金90売上90
売掛金10返金負債10

ここまでのおさらい

変動対価は、あとで変わりうる代金です。戻しそうな分まで売上に載せません。

出典と確認状況

説明の範囲
第29号の変動対価の見積りと制約の入門。最頻値と期待値の選択の詳細、返金負債との境界の例外は対象外。

  • ASBJ:企業会計基準第29号第50項:定義。第51項:最頻値または期待値。第53項:返金負債。第54項:著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含める。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

「可能性が高い」の数値基準、リベート以外の変動(インデックス、返品以外の返金)は未判定。仕訳の空欄借方は表示上の対応。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

← 用語の一覧に戻る