記録と財務諸表 一歩くわしく
本人と代理人ほんにんとだいりにん
チケットを自分の商品として売るか、手数料だけか
ひとことでいうと
本人と代理人は、自分で商品を渡すのか、手配するだけなのか、という立場の違いです。
コンサートのチケット
販売会社がチケットを1万円で渡し、興行元に9千円払うとします。自分が興行を提供しているなら1万円が売上、席を手配しているだけなら千円が売上です。見た目の入金は同じでも、売上の金額が変わります。
渡す前に支配しているか
他の人が提供に関わるとき、企業が本人なら、権利を得ると見込む対価の総額を収益にします。代理人なら、手配の報酬または手数料(受け取る額から他の人に払う額を控除した純額)を収益にします。
財またはサービスが顧客に提供される前に企業がそれを支配していれば本人、支配していなければ代理人です。
1万円と1千円
図2の説明用では、お客さんの支払い1万円、興行元へ9千円です。本人なら売上1万円、代理人なら売上1千円です。単位は円。
主たる責任、在庫リスク、価格の裁量は、支配しているかを見るときの指標です。どれか一つで決まるわけではありません。
実務ではここに注意
入金が大きいほど本人、ではありません。消化仕入のように、法的な所有が一瞬移っても代理人と判定される例があります。
1万円は説明用です。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 1,000 | 売上 | 1,000 |
| 普通預金 | 9,000 | 預り金 | 9,000 |
ここまでのおさらい
本人は自分で渡し、代理人は手配します。代理人の売上は手数料です。
出典と確認状況
説明の範囲
適用指針第30号の本人と代理人の区分の入門。判定指標の当てはめの個別判断、同一契約で本人と代理人の両方になる場合の細部は対象外。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第30号第39項:本人は対価の総額。第40項:代理人は報酬または純額。第43項:提供前の支配。第47項:指標。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
消化仕入の個別判定、表示科目を手数料収益にするかは未判定。預り金は説明用の科目。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。