一定の期間にわたり充足される履行義務いっていきかんにわたりじゅうそくされるりこうぎむ

受けているあいだにお客さんが得をする仕事は、少しずつ売上

ひとことでいうと

一定の期間にわたり充足される履行義務は、仕事が進むにつれてお客さんへの渡しが完了していく約束です。

レッスンを受けているあいだに、売上も進む

英語教室が、年間12万円のレッスン代を4月にまとめて受け取り、毎月授業を行うとします。生徒は、受けた回ごとに勉強の便益を得ます。このような約束は、年度末に一度に売上にするのではなく、進み具合に応じて少しずつ売上にします。先に受け取った12万円は、まだ授業をしていない分は預かりとして残し、進んだ月だけ売上に移します。

英語教室のレッスンが期間にわたり売上になる一定期間の履行義務の入口を示す図。
図1 受けているあいだに、少しずつ売上にします。

支配が、期間にわたりお客さんの側へ移る

収益認識に関する会計基準は、企業が義務を履行するにつれてお客さんが便益を享受する場合など、一定の要件のいずれかを満たすとき、資産に対する支配を顧客に一定の期間にわたり移転することにより履行義務を充足し、収益を認識する、と定めています。進捗度を見積り、その進捗度に基づいて収益を認識します。

日常の言葉では、仕事をしている途中でも、お客さんがその便益を受けているなら、途中までの売上を認める、です。英語教室のレッスンは、受けているあいだに生徒が便益を得る前提で、このうち履行するにつれて便益を享受する要件に当てはめて説明します。一時点で充足される履行義務は、渡した瞬間に完了する約束です。進捗度は、どこまで終わったかの物差しです。

要件を満たさないと、期間では切れない

レッスンだから必ず毎月、ではありません。取引開始日に、期間か一時点かを判定します。

年12万円を前受けし、進捗に応じて毎月1万円の売上にする図。
図2 年額を前受けしても、売上は進み具合で分けます。

年12万円を前受けし、進みに応じて分ける例

図2は説明用です。年額12万円を4月に前受けし、毎月均等にレッスンし、進捗を時間で見ると月1万円です。単位は万円。実作業が夏に偏るなら、時間で割るのは合いません。

入金が先でも、売上は進みに従います。まだ進んでいない分は前受金として残します。

実務ではここに注意

アウトプット(できた量)かインプット(かかったコスト)かで進捗の数字が変わります。工事契約の旧来の呼び方との関係は、工事進行基準の記事へ分けます。12万円は年額前払いの説明用です。

仕訳で確かめる

年額12万円を前受けし、1か月のレッスンが進んだとき(単位:万円)
借方金額貸方金額
普通預金12万円前受金12万円
前受金1万円売上1万円

ここまでのおさらい

一定の期間にわたり充足される履行義務は、仕事が進むにつれてお客さんへの渡しが完了していく約束です。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門。第29号の期間にわたる充足。英語教室の例は第38項(1)。第38項(2)(3)の全文、インプット法の算式は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

英語教室の12万円は均等進捗・年額前払いの説明用。第38項(1)の前提。個別契約の書き方は未判定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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