借方・貸方かりかたかしかた

仕訳の左側と右側を指す、位置の名前

ひとことでいうと

借方は仕訳の左側、貸方は仕訳の右側を指す言葉です。「借りる」「貸す」という日常の意味とは違い、単に記録する位置を表しています。

名前の意味にとらわれすぎない

借方・貸方という漢字を見ると、お金を借りたり貸したりする話だと思うかもしれません。しかし会計での借方・貸方は、単に仕訳の紙の左側・右側という位置を指す言葉です。名前の意味を深読みせず、まずは左が借方、右が貸方という位置だけを覚えるのが入口です。

仕訳の左側を借方、右側を貸方と呼ぶことを示す図。
図1 仕訳の左側が借方、右側が貸方です。

持ち場所が決まっている

仕訳の紙には、左側の欄と右側の欄があります。左側を借方、右側を貸方と呼びます。この呼び方自体に特別な意味はなく、複式簿記という記録方法の中で昔から使われてきた名前です。

大切なのは名前の意味ではなく、資産が増えたら借方(左)に書く、負債や純資産が増えたら貸方(右)に書くという組み合わせのルールです。このルールを、取引の内容ごとに当てはめていきます。

増えるときと減るときで反対側に書く

花屋が銀行から20万円を借りると、現金という資産が増えるので借方に、借入金という負債が増えるので貸方に書きます。逆に、借入金を返済したときは、現金(資産)が減るので貸方に、借入金(負債)が減るので借方に書きます。増えるか減るかで、書く側が入れ替わります。

資産・費用が増えるときは借方、負債・純資産・収益が増えるときは貸方に書くという対応と、花屋の借入の仕訳例を示す図。
図2 増える科目の種類によって、書く側が変わります。

花屋の取引で、借方・貸方を確かめる

図2では、資産・費用が増えるときは借方、負債・純資産・収益が増えるときは貸方に書くという対応をまとめています。花屋が20万円を借りた例では、現金(資産)の増加を借方に、借入金(負債)の増加を貸方に書きます。

お花が25万円で売れたときは、現金(資産)の増加を借方に、売上(収益)の増加を貸方に書きます。同じ増えるという出来事でも、資産の増加は借方、収益の増加は貸方という違いに注意します。

間違えやすい点:借方・貸方はプラスマイナスの記号ではない

借方・貸方を、そのままプラス・マイナスと覚えてしまうと混乱します。資産にとって借方は増加ですが、負債にとって借方は減少です。借方・貸方は、科目の種類ごとに増加・減少の意味が変わる、位置の名前だと理解しておくことが大切です。

この記事では、資産・負債・純資産・収益・費用という5つの大きな分類だけを扱っています。実際の勘定科目ごとの細かい取り扱いは、勘定科目の記事や、それぞれの用語の記事で確認してください。

仕訳で確かめる

花屋が銀行から借り入れたとき、借方・貸方を確認する例(単位:万円)
借方金額貸方金額
現金20借入金20

ここまでのおさらい

借方は仕訳の左側、貸方は仕訳の右側という位置の名前です。資産・費用の増加は借方に、負債・純資産・収益の増加は貸方に書くという対応を覚えると、仕訳が読みやすくなります。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準・複式簿記の入門解説。花屋の例で、資産・負債・純資産・収益・費用が増減するときの借方・貸方を扱う。複雑な決算整理仕訳は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

借方・貸方という名称の位置づけと基本の対応関係のみを扱う説明用の整理です。複数科目にまたがる仕訳や、高度な決算整理は未判定です。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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