工事進行基準こうじしんこうきじゅん

いまの多くの契約は、収益認識基準の進捗度が優先する

ひとことでいうと

工事進行基準は、工事の進み具合に応じた売上を、今の期の儲けに乗せるかつての考え方です。

工事が半分なら、売上も半分、と考えていた

配管工事店が、半年かかる改装を請け負い、決算日に作業が半分まで終わっているとします。工事進行基準は、完成を待たず、進み具合に応じた売上を今の期に出す考え方です。いま、お客さんとの契約の売上は、収益認識に関する会計基準が優先し、一定の期間にわたる充足と進捗度として読むことが多くなっています。

配管工事の進みに応じて売上にする工事進行基準と、いまは第29号が優先することを示す図。
図1 進みに応じて売上にする、かつての代表的な考え方です。

注解が定めた、進みに応じた計上

企業会計原則注解は、工事進行基準を、決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する方法、と説明しています。対になるのが、完成時にまとめて計上する工事完成基準です。

いまの収益認識に関する会計基準は、収益の認識について企業会計原則に優先します。工事契約も、一定の期間にわたり充足される履行義務と進捗度として読むのが、現行の入口です。

名前が残っていても、根拠は入れ替わっている

現場で「進行基準」と呼んでいても、適用する条文は注7のままとは限りません。旧い呼び方と、いまの判定を混ぜないでください。

旧来の工事進行基準と、いま優先する収益認識の進捗度を対比する図。
図2 いまの多くの契約では、収益認識基準が先に来ます。

総額40万円のうち、期末に半分終わった例

図の右側は説明用です。契約40万円、期末の進捗50%なら、旧来の進行基準では今期の収益20万円、という向きです。単位は万円。現行では、期間にわたる充足の要件を満たすかが先です。満たさなければ、引き渡すなど、お客さんへ支配が移った時点で売上にします。

この記事は、注7の入口と、第29号が優先することまでです。

実務ではここに注意

適用初年度の経過、工事損失引当、法人税法の長期大規模工事の取扱いは個別です。40万円と50%は説明用です。

仕訳で確かめる

旧来の進行基準で、進捗50%分を売上にする例(単位:万円)
借方金額貸方金額
完成工事未収入金20万円完成工事高20万円

ここまでのおさらい

工事進行基準は、工事の進みに応じて売上にするかつての考え方です。いまの多くの契約は収益認識基準が優先します。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門。注解注7の工事進行基準の意味と、第29号が収益に優先する関係。工事損失引当、税務の長期工事は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

配管工事の40万円・50%は向きの説明用。個別契約が第38項の要件を満たすかは未判定。第29号の優先の項番号は、基準の適用関係の整理であり本文で断定しすぎない。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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