記録と財務諸表 一歩くわしく
リース期間りーすきかん
契約書の年数だけとは限らない、使う見込みの期間
ひとことでいうと
リース期間は、物を借りて使うと見込む期間のことで、契約書の年数そのものとは限りません。
3年契約でも、5年使う見込みなら5年
写真館が複写機を3年は必ず借り、そのあと2年伸ばせる契約にしたとします。現場では「あと2年も使う」と見込めるなら、会計のリース期間は3年ではなく5年になります。
契約書の年数と、使う見込みは別
借手のリース期間は、原資産を使う権利がある解約不能期間に、延長オプションを行使することが合理的に確実な期間と、解約オプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加えて決めます。
図1の写真館では、3年は解約できません。延長2年を使うことが合理的に確実なら、会計上の期間は5年です。延長しないと見込むなら3年のままです。
貸し手だけが解約できるとき
貸手だけが解約できる権利を持っている期間は、借手の解約不能期間に含めます。借手だけが解約できる権利は、オプションとして見積もります。
期間が変わると、負債の金額も変わる
リース期間は、これから払うリース料をいまの金額へ直すときの対象期間です。図2では、年12万円・年末払い・年10%の説明用とします。3年なら約29.8万円、5年なら約45.5万円が、いまのリース負債の土台になります。
計算は 12÷1.1+12÷1.21+12÷1.331=29.84…→29.8万円(千円未満を四捨五入)。5年は同様に45.5万円です。端数は説明用に0.1万円単位で丸めています。
実務ではここに注意
「合理的に確実」は、延長した方が得か、引っ越し費用が大きいかなど、経済的な事情から判断します。契約書に書いてある最長期間を、そのまま使うわけではありません。
重要な事情が変われば、期間を見直すことがあります。この記事の年10%と年12万円は説明用です。
ここまでのおさらい
リース期間は、借りて使うと見込む期間です。契約の年数に、延長しそうな期間を足すことがあります。
出典と確認状況
説明の範囲
日本基準第34号・適用指針第33号の借手のリース期間の入門。貸手のリース期間の選択、再リースの簡便処理、重要事象による見直しの細目は対象外。
- ASBJ:企業会計基準第34号 リースに関する会計基準第15項:借手のリース期間の定義。第31項:解約不能期間に延長・解約オプションを加えて決定。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第33号第17項:経済的インセンティブを考慮してオプションを判定。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
29.8万円・45.5万円は年12万円・年10%・年末払いの説明用です。月払い、維持管理費、再リースの別処理は未判定。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。