記録と財務諸表 一歩くわしく
セール・アンド・リースバックせーる・あんど・りーすばっく
一度売っても、同じ機械を借りて使い続ける取引
ひとことでいうと
セール・アンド・リースバックは、一度売って、すぐ同じ物を借りて使い続ける取引です。
オーブンは現場に残ったまま
パン店が資金を得るためオーブンを売却し、その日から同じオーブンを借りて焼き続けます。見た目は売ったようでも、使い方はあまり変わりません。会計では、本当に売ったのか、お金を借りたのに近いのかを見ます。
定義
セール・アンド・リースバック取引とは、売手である借手が資産を買手である貸手に譲渡し、その資産をリースバックする取引です。譲渡が売却に当たらない場合や、借り戻しによって利益とコストのほぼ全部が売手に残る場合は、売却ではなく、お金を借りる金融取引として扱います。
売手が、移転の前に原資産の支配を獲得していないときも、該当せずリースとして処理します。
融資に近いときと、売却になるとき
一定の要件を満たすと、売手である借手は譲渡とリースバックを一体の金融取引として処理します。図2のオーブンは帳簿80万円、受取100万円の説明用です。金融取引なら、20万円を売却益にはしません。
その要件を満たさないときは、資産の譲渡は収益認識などの他の基準で損益を認識し、リースバックは借手の処理によります。
実務ではここに注意
「売ったのだから利益」とすぐに切らないでください。使い続ける形と、買い戻しの条件が、判定を左右します。
80万円・100万円は説明用です。仕訳は金融取引の入口だけを示し、利息の配分は省略しています。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 100 | 借入金 | 100 |
ここまでのおさらい
セール・アンド・リースバックは、売ってすぐ借り戻す取引です。融資に近いときは売却益を出しません。
出典と確認状況
説明の範囲
適用指針第33号の売手である借手の入門。該当しない場合(支配を獲得しない移転等)の細部、貸手側の判定の例外は対象外。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第33号第4項(11):定義。第53・54項:該当しない場合。第55項:一体の金融取引。第56項:該当しても金融取引でないときの処理。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
第55項の具体的な要件の当てはめ、売却益を一部認識する場合の計算、消費税は未判定。金融取引の仕訳は説明用の単純化。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。