総平均法そうへいきんほう

前からの残りと、その期間の仕入を合わせてならす

ひとことでいうと

総平均法は、前から残っていた在庫と、その期間に仕入れた分を合わせて平均し、残った在庫の単価を決める方法です。

高い粉も安い粉も、残りと今期の仕入でならす

蕎麦粉の製粉所が、今期に粉を合計90万円、数量30だけ仕入れたとします。期首の在庫はない前提です。1単位あたりは3万円です。期末に4単位残っていれば、残った在庫は12万円と数えます。前から粉が残っていれば、その分も今期の仕入と足してから割ります。先に入れた分から減らすのではなく、期間の平均でならすのが総平均法です。

製粉所で、期首の残りと今期の仕入を合わせて平均する総平均法の入口を示す図。
図1 前からの残りと、今期の仕入を合わせてならします。

期間の平均で、残りの単価を出す

棚卸資産の評価に関する会計基準は、平均原価法の平均原価を、総平均法または移動平均法で算出する、と定めています。総平均法は、決めた期間(多くは会計期間)の取得原価の合計を数量の合計で割ります。割る相手には、前から残っていた在庫と、その期間に仕入れた分の両方を含めます。

先入先出法は古い仕入から減ったとみなします。移動平均法は仕入のたびに平均を更新します。総平均法は、期間が終わるまで一つの平均にまとめる点が違います。

利益の出方も、平均に引きずられる

期の後半だけ仕入値が上がっても、総平均法ではその上昇が期間全体の単価に散らばります。残った在庫も、売れた分の原価も、同じ平均単価になります。

仕入合計90万円・数量30から平均3万円、期末4単位で在庫12万円とする総平均法の図。
図2 平均単価×残った数量が、在庫の金額です。

90万円÷30=3万円。残り4なら12万円

図2は説明用です。期中の仕入合計90万円、数量30、期首在庫はないとします。平均単価は3万円。期末4単位なら棚卸資産は12万円。売れた26単位の売上原価は78万円です。単位は万円。

数量の単位は袋でもキロでも構いません。割る相手は、金額と同じ口数です。

実務ではここに注意

総平均は期間を区切るので、月次で仮の平均を出す運用と、期末に確定させる運用が現場で混ざることがあります。税務の届出、端数処理、期首在庫の入れ方は、この90万円の例だけでは決まりません。

仕訳で確かめる

平均単価3万円の粉が26単位売れたとみなすとき(単位:万円)
借方金額貸方金額
売上原価78万円棚卸資産78万円

ここまでのおさらい

総平均法は、前からの残りと今期の仕入を合わせて平均し、残った在庫と売れた分の単価を決める方法です。

出典と確認状況

説明の範囲
日本基準の入門。第9号の平均原価法のうち総平均法。移動平均の計算過程、税務の届出は対象外。

公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み

製粉所の90万円・数量30は説明用。期首在庫なしの仮定。消費税は未判定。

一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。

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