記録と財務諸表 一歩くわしく
ファイナンス・リースふぁいなんす・りーす
貸し手にとって、物を売ったのに近いリース
ひとことでいうと
ファイナンス・リースは、貸し手が、ほぼ自分の物を売ったのと同じと見るリースの分類です。
貸し手から見た「売るのに近い借り方」
運送会社にトラックを5年貸し、途中で返せない契約だとします。使い切る利益も、かかる費用も、ほとんど借りる側が負います。貸し手から見ると、トラックを売って代金を分割で回収するのに近い取引です。
定義は貸し手の分類
ファイナンス・リースとは、途中で解除できないリース等で、借手が原資産の経済的利益を実質的に享受し、使用のコストを実質的に負担するリースです。第34号では、貸手がファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類します。
借手は、短期・少額などの例外を除き、使用権として記録するのが原則です。昔の借手のように「ファイナンスなら載せる、オペレーティングなら載せない」とは限りません。
貸し手の記録
貸手はファイナンス・リースを、通常の売買に準じて処理します。所有権移転ならリース債権、所有権移転外ならリース投資資産です。図2では、現金販売価額500万円のトラックを、開始日にリース投資資産へ振り替える説明用です。
判定の目安として、現在価値が現金購入価額の概ね90%以上、またはリース期間が経済的耐用年数の概ね75%以上、などがあります。
実務ではここに注意
90%や75%は「概ね」の目安であり、自動的な合格ラインではありません。旧基準の借手の分類と、新基準の貸手の分類を混ぜないでください。
500万円は説明用です。
仕訳で確かめる
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| リース投資資産 | 500 | 車両運搬具 | 500 |
ここまでのおさらい
ファイナンス・リースは、貸し手がほぼ売ったと見る分類です。借り手の新基準の原則とは役割が違います。
出典と確認状況
説明の範囲
第34号の貸手の分類。借手は第34号ではオンバランスが原則で、この分類を主に使わない。旧第13号の借手分類との違いを本文で区別する。90%・75%の判定の例外は対象外。
- ASBJ:企業会計基準第34号第11項:定義。第43項:貸手がFLとOLに分類。第45・46項:貸手の売買に準じた処理、リース債権またはリース投資資産。
- ASBJ:企業会計基準適用指針第33号現在価値基準・経済的耐用年数基準(概ね90%・75%)。
- ASBJ:企業会計基準第13号(旧)旧基準では借手もFL/OL分類を用いた。第34号適用後は適用終了。
公開対象判定:独立レビュー通過・所有者による公開承認済み
所有権移転の具体的な判定、リース料の利息法の表、メーカーの貸手の売上の認識は未判定。仕訳は開始日の振替のみ。
一般的な学習のための説明です。個別の会計処理は、適用する基準と契約・取引の事情に合わせて判断してください。